「客が来ない」と思って調べると、打ち手が15も20も出てきます。
SNS、グルメサイト、チラシ、ポイントカード、看板、広告。
どれも大事だと書いてあります。
ですが、全部にお金と時間を回せるお店はありません。
先に、この記事の結論として、
- 第1段|0円で直せるもの
- 第2段|一度だけ刷るもの
- 第3段|毎月払い続けるもの
という順番で手を付けます。
効きそうな順ではなく、間違えたときに取り返せる順です。
そして、タイトルにある2つの軸はこう使います。
立地が決めるのは、各段で何を先にやるかだけです。
予算が決めるのは、第何段まで進めるかだけです。
段の順番そのものは、どのお店でも変わりません。
打ち手は「効きそうな順」ではなく「取り返しのつく順」に並べる

集客の記事はたいてい、打ち手を並べて終わります。
読んだあとに残るのは「やることが増えた」という感覚だけです。
本当に困っているのは、どれが効くかではなくどれから手を付けるかのほうです。
順番を決める物差しは1つだけで足ります。
外したときに、何を失うかです。
- 第1段|0円で直せるもの(地図の情報、外観と看板の見え方、口コミへの返信、渡すものに店名を入れる)。外しても失うのは時間だけです
- 第2段|一度だけ刷るもの(メニュー表、ショップカード、看板)。外すと刷り直しになります
- 第3段|毎月払い続けるもの(検索広告、グルメサイトの掲載)。外すと払った分がそのまま戻りません
チラシやポイントカードのように、紙に刷って配るものはすべて第2段に入ります。
取り返しがつかないものほど、後ろに置く。
これだけで、同じ労力でも結果の出方が変わります。
この順番には、もう1つ良いところがあります。
第1段をやり切ると、第2段と第3段で何を直せばいいかが先に見えてきます。
地図の写真を入れ替えてみて反応が変わるかどうかは、刷る前に分かります。
立地|「悪い」ではなく3つの種類。やる順番は変わらない

「立地が悪いから集客できない」という言い方をよく聞きます。
ですが、立地は良し悪しではなく種類です。
種類が違えば、お客様がお店にたどり着く道が違います。
自分のお店がどれなのかは、調べなくても答えられます。
いまのお客様は、どうやってお店を知って来ていますか。
直近の数組を思い出すだけで1分で決まります。
- 通りがかり型|前を通る人が多い。駅前、商店街、商業施設の中
- 検索型|前を通る人はほとんどいない。車で動く街、郊外の幹線沿い、2階や路地裏
- 紹介型|常連と紹介で回っている。新規はたまに来る
タイプが決めるのは、第1段で先に埋める場所だけです。
通りがかり型なら、入り口で足が止まるかどうかが先です。
外観と看板を、はじめて来る人の目で見直すところから始めます。
検索型なら、地図に出てくるかどうかがそのまま来店数になります。
営業時間、駐車場、写真、看板メニューの値段を先に埋めます。
紹介型なら、来た人が店名を持ち帰れるかどうかが先です。
渡すものと、口コミへの返信から始めます。
どのタイプでも、段の順番は同じです。
立地が入れ替えるのは各段の中身であって、第2段や第3段を先にやる理由にはなりません。
ここを取り違えると、前を通る人がいないお店ほど、先に広告へ行きます。
立地が弱いから広告を出す、という順番は逆です。
検索で見つけてもらう道が一番太いお店なので、先に地図の中身を埋めたほうが早く効きます。
予算|「一度きりの出費」と「毎月の出費」を分けて考える

予算の話は、金額を決めるところから始めると決まりません。
先に分けるのは、出費の種類です。
- 一度きりの出費。刷った月に1回だけ出ていきます。そのあとは何年も働きます
- 毎月の出費。止めるまで毎月出ていきます。止めた月から効果もなくなります
この2つは、同じ金額でも重さがまったく違います。
毎月の出費は、回収できる見込みが立ってから始めるものです。
見込みは、紙とペンがあれば出せます。
毎月の出費 ÷ お客様1人から残る粗利 = 月に何人来れば元が取れるか
粗利は、客単価から原価などを引いて手元に残る金額です。客単価そのもので割ると、必要な人数を少なく見積もってしまいます。
出てきた人数が、いまの空席から見て現実的かどうかだけを見ます。
1人から残る粗利が大きいお店は、月に数人の来店で元が取れます。
ランチ中心のお店は、同じ金額でも必要な人数がかなり増えます。
人数を出してみて「それは無理だ」と思ったら、その打ち手はまだ早いという答えです。
一度きりの出費は、別の見方をします。
刷ったものは何年も使うので、使う年数で割り、さらに12で割って1か月あたりに直すと、毎月の出費と並べて比べられます。
第1段|0円で直せるところを埋める。外しても失うのは時間だけ

ここからが実作業です。
第1段は全部無料で、やり直しもききます。
先ほど選んだ立地のタイプで、どれを先にやるかだけが変わります。
通りがかり型のお店は、3番目と4番目から始めてください。
足が止まるのは店の前なので、地図より先に実物を見ます。
検索型のお店は1番目と2番目から、紹介型のお店は5番目と6番目からです。
この6つが埋まっていないうちは、刷るものにも広告にも手を出さないほうが早いです。
費用はかかりません。
車で移動する街での具体的な進め方は、地域版の記事に実例でまとめています。
自分の商圏がそれに近いと感じたら、こちらを見ながらやってみてください。

第2段|刷るもの・形に残すものは、刷る前に相談する

第1段が埋まると、お客様がお店を見つけて、値段も分かる状態になります。
ここで初めて、お金を出す話になります。
第2段の分かれ目は1つだけです。
やり直しがきくかどうかです。
- すぐ直せるもの(地図の情報、SNSの投稿、貼り紙、黒板、日替わり)。間違えてもその場で書き直せるので、自分で作って構いません
- 紙に刷るもの(メニュー表、ショップカード、看板)。何年も使い、卓上に置き、お客様が持ち帰ります。刷ってしまうと戻せません
刷ったあとで「値段が読みにくい」と気づいても、刷り直しになります。
この線を越えるものは、刷る前に一度外の目で見てもらったほうが、結果的に安く済みます。
刷るものの中では、注文を増やす側が先
第2段の中にも順番があります。
先に手を付けるのは、いま来ているお客様の注文が変わるものです。
つまりメニュー表が先で、ショップカードがその次になります。
新規を増やすより、来ている人の1組あたりの会計が上がるほうが、先に数字に出るからです。
ただし紹介型のお店だけは逆で、ショップカードが先です。新規がもともと多くないので、来た人に持ち帰ってもらうほうが効きます。
メニュー表|席についたお客様が最初に見るのも、やはり値段
地図で値段が読めないお店が候補から外れるのと、同じことが席でも起きています。
おすすめが目立たない、写真がない、値段が読みにくい。
迷った末に「とりあえずこれで」となり、頼まれるはずだったものが頼まれずに終わります。
とはいえ、どこが読みにくいのかは作った本人には見えにくいところです。
毎日見ているメニュー表ほど、直す場所が分からなくなります。
そういうときは、外の目で一度見てもらうのが早道です。
WHiTE Focusのメニュー表制作は、冊子・二つ折り・1枚もの(ラミネート加工)のいずれにも対応していて、印刷の手配から納品まで一括で進みます。
10部からの少部数にも対応しているので、まずは少ない部数で試すこともできます。
相談の最初は、目的・ターゲット・テイスト・サイズや点数・希望納期・参考イメージ・いまの悩みを伺うところから始まります。
イメージが固まっていない状態で相談しても、そこから一緒に整理していく形です。
写真は、お手持ちの素材をいただければ追加の費用はかかりません。
写真撮影も込みで頼む場合は、別途 撮影料がかかります。
期間は、ページ数にもよりますが、一般的なものであれば印刷まで含めて3週間〜4週間程度が目安です。
どの形が合うかは、メニュー表制作のページで対応範囲と費用の目安を見てから決めてください。
実物を1冊まるごと見てから考えたい場合は、焼肉店の事例を誌面ごと公開しています。

ショップカード|新規は来ているのに2回目が少ないなら、こちら
一度来たお客様が戻ってこない理由は、味やサービスとは限りません。
お店を思い出す手がかりを、何も持って帰っていないだけのことが多いです。
「よかったお店」は「この前行った、あの焼肉屋」で止まり、検索できないまま終わります。
第1段でレシートの裏を試して、持ち帰ってもらうことに意味がありそうだと分かってから形にします。
ショップカードで先に決めるのは、デザインではなくゴールです。
- 再来店|次回使える特典で、もう一度来てもらう
- LINE登録|QRコードから友だち追加して、連絡できる状態にする
- 紹介|「お友達にどうぞ」と渡してもらう
渡し方も、ゴールによって変わります。
会計のときに手渡すのか、テーブルやカウンターに置くのか、紹介用に既存のお客様へまとめて配るのか。
ゴールが決まっていないカードは、刷ったあとで直せません。
「とりあえず店名と住所だけ」のカードが財布の中で眠るのは、たいていこれが理由です。
期間は、ご依頼からデザインの作成まで1〜2週間程度、印刷と納品まで1週間程度が目安です。
ゴールの決め方と費用の目安はショップカード制作のページに出しているので、刷る前に一度目を通してみてください。
メニュー表もショップカードも、同じデザイナーが担当できます。
第3段|毎月払うものは、受け皿が埋まってから

第3段は、検索広告やグルメサイトの掲載のように、毎月払い続けるものです。
一番多い失敗は、ここから始めてしまうことです。
広告は「知ってもらう」ための道具で、「選んでもらう」ための道具ではありません。
選ばれるかどうかは、広告を押したあとに見る地図と写真と値段で決まります。
進んでよいかどうかは、3つの問いで決められます。
- 地域名と業態で検索したときに、地図に自分のお店が出てくるか
- 出てきたページで、写真と値段が見えるか
- 予約か連絡の手段が、迷わず押せる場所にあるか
1つでも「いいえ」があるなら、第1段か第2段に戻ります。
戻るほうが、同じ金額でも結果が変わります。
3つとも「はい」になったお店は、第3段に進んで構いません。
とくに検索型の立地では、ここを通った時点で広告の優先度が上がります。
前を通る人がいないぶん、検索で見つけてもらう道が一番太いからです。
リスティング広告は「いま探している人」だけに出せる
検索結果の上に出る広告が、リスティング広告です。
SNSのように「たまたま見てもらう」形ではなく、いままさにお店を探している人の検索タイミングだけに出せます。
WHiTE Focusでは、配信する相手を3つで絞ります。
- 来てもらえる範囲|店舗から半径数kmなど、来店できる距離の人だけに表示します。その外には出ない設計にできます
- どんな人か|性別、年齢、興味のあることなどで絞ります
- 検索キーワード|来店につながる言葉で検索した人だけに配信します
毎月の出費なので、始め方も小さくできます。
まず短い期間で小さく試して、効いたら期間を延ばしていく形です。
最初は小さくテストして、伸びる型が見えたらそこへ集中させる、という進め方になります。
成果が出る見込みがなければ、継続をおすすめしません。
こちらから継続をしないことをおすすめする場合もあります。
なお、リスティング広告の運用は群馬県近郊40km圏内の店舗に特化しています。
絞り込みの中身と費用の目安をリスティング広告運用のページで確かめてから、出すかどうかを決めてください。
グルメサイトの掲載も、同じ物差しで決める
グルメサイトの掲載料も、止めるまで毎月出ていくお金です。
決め方は広告とまったく同じで、掲載料を1人から残る粗利で割り、月に何人の来店で元が取れるかを出します。
その人数が、いまの空席から見て届く範囲なら進めて構いません。
写真も値段も入れていない無料掲載のまま、有料プランに上げるのは順番が逆です。
有料にしても、見た人が決めるための材料は増えません。先に無料の枠で埋められるところを埋めます。
立地と予算を重ねると、最初の1手が1つに決まる

ここまでの2つの軸を、縦と横に重ねます。
自分のマスを1つだけ指してください。
| 立地 \ 予算 | 0円でやる | 一度きりの出費が出せる | 毎月の出費が出せる |
|---|---|---|---|
| 通りがかり型 | 外観と看板を、はじめて来る人の目で見直す | メニュー表。入ってから値段が読める状態にする | 毎月の出費はいちばん後。前を通る人がいる間は、入り口と席での取りこぼしを拾うほうが早い |
| 検索型 | 地図の情報(営業時間・駐車場・写真・看板メニューの値段)を埋める | 地図が埋まってからメニュー表。刷るより先に、写真と値段を直す | リスティング広告。商圏を距離で絞って、探している人にだけ出す |
| 紹介型 | 会計のときに店名が分かるものを渡す。口コミに返信する | ショップカード。渡すものを、ゴールを決めてから形にする | 広告より先に、渡すものと口コミ。紹介が回っている店は、ここを厚くするほうが安い |
※ 1つのマスにあるものだけをやります。2つ以上に手を広げないほうが、終わります。
※ リスティング広告の運用は、群馬県近郊40km圏内の店舗に特化しています。
この表の使い方は1つだけです。
指したマスの1手が終わるまで、他のマスを見ない。
終わったら、自分のマスから1つ右へ動かします。
ただし右へ動くのは、いちばん右のマスに進む打ち手があるお店だけです。通りがかり型と紹介型は、いちばん右の列が「まだ早い」という答えになっています。
これが「予算が決めるのは、第何段まで進めるか」の意味です。
サイトから作り直す段階にいて、複数をまとめて設計したい場合は、サイト・検索・地図を一体で組む形もあります。
開業前や全面リニューアルの時期なら、集客設計パッケージのページを見てから相談してください。
よくある質問
お金をかけずにできることから始めたいです。何からですか?
第1段の5つです。地図の営業時間と駐車場を今の実態に合わせる、看板メニュー3品の写真と値段を載せる、外観の写真を1枚入れる、口コミに短く返信する、会計のときに店名が分かるものを渡す。どれも費用はかかりません。立地のタイプによって、このうちどれを先にやるかだけが変わります。
立地が悪いのですが、集客はあきらめるしかないですか?
立地は良し悪しではなく種類として見ます。前を通る人がいない場所は「検索して来る型」で、お客様はスマホで探してから向かいます。その場合は地図の中身がそのまま来店数になるので、外観や看板より先に、営業時間・駐車場・写真・看板メニューの値段を埋めるところから始めます。やる順番そのものは、どのタイプでも変わりません。
SNSやグルメサイトはやったほうがいいですか?
SNSは入口ではなく「行こうか迷っている人の背中を押す」場面で働きます。知らない人に届くまでに時間がかかるので、先に始めても見に来る人がいません。第1段が埋まってから始めれば十分です。グルメサイトの掲載料は毎月の出費なので第3段です。掲載料を1人から残る粗利で割って、月に何人来れば元が取れるかを出してから決めてください。
広告はいつから出せばいいですか?
3つの問いに全部「はい」と答えられてからです。地域名と業態の検索で地図に出てくるか、出てきたページで写真と値段が見えるか、予約か連絡の手段が迷わず押せる場所にあるか。1つでも「いいえ」があるうちは、広告を押した人が他のお店に流れます。リスティング広告はお試しの短い期間から始められるので、受け皿が埋まってから小さく試す形がおすすめです。
結局いくらかかりますか?この記事に金額が書いていません。
打ち手ごとに幅があるので、この記事には金額を載せていません。メニュー表・ショップカード・リスティング広告は、それぞれのページに費用の目安を載せています。先に決めてほしいのは金額ではなく、毎月の出費を「お客様1人から残る粗利」で割って出す「月に何人来れば元が取れるか」です。その人数が現実的でなければ、その打ち手はまだ早いという答えになります。
群馬県以外の店でも頼めますか?
メニュー表とショップカードは、LINEでやり取りをしながら進められます。ショップカードの印刷物は、指定の住所へ直送できます。リスティング広告の運用は、群馬県近郊40km圏内の店舗に特化しています。
まとめ|全部やらない。次の1つだけ決める
- 第1段は0円で直せるもの。地図の情報、外観と看板、口コミへの返信、渡すものに店名。外しても失うのは時間だけです
- 第2段は一度だけ刷るもの。メニュー表が先、ショップカードがその次。刷る前に一度外の目で見てもらいます
- 第3段は毎月払うもの。3つの問いに全部「はい」と答えられてから、小さく試します
- 立地が決めるのは各段の中身だけ。通りがかり型は外観、検索型は地図、紹介型は渡すものから始めます
- 毎月の出費は、1人から残る粗利で割る。月に何人来れば元が取れるかが現実的でなければ、その打ち手はまだ早いということです
集客の情報はいくらでも出てきますが、全部やる必要はありません。
早見表で指したマスの1手が終わってから、次のマスに進んでください。
自分のお店がどのタイプなのか迷う場合も、刷るものを作る前に一度見てほしい場合も、広告を出していいか決めかねている場合も、下のボタンからどうぞ。
ボタンを押すと相談用のトーク画面が開きます。
依頼するかどうか決まっていなくても、相談だけで大丈夫です。
